「完成度50%でOK」はWeb2.0が新奇だった頃の限定ルールに過ぎない

■「50%の完成度で世に出す」時代の終わり? - POLAR BEAR BLOG
http://akihitok.typepad.jp/blog/2007/12/50_5231.html

少し前、Web2.0前夜の頃はWeb2.0的なサービスと技術(それに若干のデザイン)の両方を理解している人は多くはなかった。両方を知っている少数の人が中心になってWeb2.0のサービスを作り、牽引してきた。

技術のプロが作ったサイトは非技術の部分で脇が甘かったし、逆もまた然りだった。
でも、今までにない新しくて魅力的なサービスが提供できたから、新し物好きなユーザからは熱狂的に受け入れられた。これが『50%でOKな時代』。完成度よりもリリースの早さが優先の時代。


だけど、そうした新しいサービスや技術についての研究が進み、本も解説サイトも増えてきた。知識を持っている人も増えた。
すると分業して、互いに専門領域を作りこんだほうがクオリティの高いサービスが作り出せる。
皆、目が肥えてきたから、新しいだけで賞賛されることは、もうない。

それが、『50%でOK時代の終焉』

今はそういう時期に来ている、っていうようなことを、id:jkondoは言いたかったんじゃないだろうか。


決して「リリース時期を後ろに倒してでも完成度を高める時代」が戻ってきたわけじゃなくて、「リリース時期も早く、完成度も一定のレベルまで求められる」 そういう時代になりつつある。

両方やらなくちゃいけないのが、IT業界の辛いところだな

覚悟はいいか?

感謝に耐えない

ゴールデンウィークからこっちは、家族・友人から勤め先の方まで、様々な方にお話を聞いている。

普段は会えば、くだらない話か、仕事の話ばかり。だから、目先の変わったテーマで話すのは新鮮。
それぞれの立場から飛び出す各々の考えは、聞いていて楽しくもあり、勉強にもなる。

ともあれ、皆、私の言葉に耳を傾け、率直な意見を出してくれた。このことについては、いくら感謝してもしきれない。

"はなし"の話

先日、勤め先の先輩と仕事関連の雑談+私的な相談など、取りとめもないことを話す機会を持った。
考えてみれば、勤め先の方に個人的なことまで相談するのは、社会人になって初めてのことかも知れない。
事前に、話の持ちかけ方などを一通り考えてみたのだが、相手がスマートな方ということもあるので、結局、小細工なしに直接的な方法をとることに決めた。端的に相談を依頼し、率直に状況と自分自身の考え方を伝え、必要事項についてお考えを伺うというやり方だ。

実際、いざ話し合いが始まってみると、アイスブレイク→本題の周辺へと流れるように先方が話題を進めることになった。あれだけきれいに話を運ばれたなら、もし私が口の重い状況だったとしても、きっとスムーズに相談を切り出すことができていたに違いない。
上手な話の運び方は過去の経験から習得したものなのだろう。聞いていて、本題を忘れ感心していた。


ひとしきり四方山話をして、その日は解散。
先輩の持つ"話術"と"人への気遣い"に関しては、ぜひとも盗まなくてはなくてはならないという思いを改めて強くした日だった。


ここからは完全に余談なのだが、件の先輩には(奥様のためにも)お体ご自愛いただきたい。

私の性格上*1、自分にとって重要な人、大事な人が元気をなくしているのを見るのは忍びないのだ。
ひとまず、自分にできる範囲で支援して行こうとは思う。

*1:最近、こうした性質に気づかされた。自分のことをマイペースで周囲への関心が低い性格だと考えていただけに、意外な発見ではあった

Second Lifeの現状をメモ

プライベートモードのblogで書き留めていたメモをこちらに転記。
新しいニュースがあれば随時、更新していく予定。(07/4/13追記)

イー・モバイルのモバイル端末、EM・ONEを試した感想(写真はOperaでNIKKEI NETを表示したところ)

《参 考》GIGAIZNEで見かけた時から気になっていたイー・モバイルのモバイル端末、EM・ONE(エム・ワン)を を新宿ビックカメラで触ってきたのでレポート。
下り3.6Mbpsが月額5980円、イー・モバイルのモバイル端末「EM・ONE」発売 - GIGAZINE

現物を見ての第一印象は『洗練されていないPSPといったところ。本体の薄さと画面の広さ、デザインのしゃれっ気のなさから、そうした感じを受けたのかもしれない。


  • 良い点
    • 薄さ
      • 期待通り、十分に薄い。
    • 画面
      • 文句無しに大きくて液晶も美しい。
      • OperaでWebブラウジングしたときに、PCとほぼ同じように画面が見られるのには感心させられた。*1
    • 通信速度
      • HSDPA通信はなかなか高速で良い。
      • もちろんPCと比べると快適と言えないがストレス無くWebブラウジングが楽しめる。せっかく画面が大きい端末なのだから、これで図や写真が豊富に使われたサイトを楽しめなければ魅力は半減だろう。
      • ただ、通信が早くともWindows MobileOperaがスピード上のネックになる場面は出てくるかもしれない。(Windows Mobile全般に言えることだが)
      • なお、用意されているデモ機は、無線LANが使えないようになっていたので、こちらはチェックできず。
    • 入力デバイス(キーボード等)
      • キーボードは大きく、入力した感じも悪くない。W-ZERO3[es]の小さくて固めのキーボードよりも入力しやすい印象。
      • ただ、カーソルなど頻繁に使うキーが扱いづらかったのは、非常に残念。
      • また、本体横に用意されているジョグダイアル(?)は悪くない。
  • 悪い点
    • 大きい
      • あまりにも大きくパンツのポケットには到底入らない。スーツの大きいポケットにも入れることは厳しいだろう。
      • なお、重さについては可もなく不可もなし。
    • 入力デバイスポインティングデバイス
    • 見た目
      • ぱっと見は『洗練されていないPSP』という印象。
      • 決して不格好ではない。だが、スタイリッシュではない。
    • その他
      • 縦にスライドさせればキーボードが現れ、横にスライドさせればカーソルキーとポインティングデバイスが現れる構造になっているのだが、動かそうとすると、どこかで引っかかってしまいスムーズにスライドできないことが多かった。(慣れれば解消するかもしれないが)
      • 満員電車の中で、片手で取り出し操作するといったことは難しいだろう。

個人的な感想としては、
・図や写真が豊富に使われたサイトをチェックしたい
・外出先でのWebブラウジングでもPCとほぼ同じ画面を見たい。
という利用をされる方にとっては、EM・ONEは役立つアイテムかもしれない。(ただし、大きな画面に図・写真を表示させて頻繁に通信を行った場合、はたしてバッテリーが持つのか気がかりではある)

逆に行えば、
・blog、ニュースなどテキストベースのサイトブラウジングが中心。
・携帯性を重視する
という方には、あまりお勧めできない。


以上、ファーストインプレッション。(適時、追記・修正の予定)

*1:画面が小さいモバイル端末では、一画面に収まらないか、もしくはレイアウトが変わってしまうのが普通

MVNOの現状(なぜ日本ではMVNOが立ち上がらないのか)

以前プライベートの時間を使って行った*1"MVNOの現状"についての調査結果をベースに記述。本格的な調査は行っていないので、あくまで参考程度に。
(誤りのご指摘やご意見など、もしいただければ、たいへんありがたい)

  • MVNOとは何か
    • 大雑把な定義*2では、『キャリアから回線を借りて、特定のマーケットに向けオリジナルの料金形態で再販を行う事業者』を指す。"無線ネットワークを自ら管理するか否か"、"オリジナルのネットサービスを提供するか否か"などにより、様々な業態が存在する。(後述のITmedia記事の図が分かりやすい)
    • MVNOの定義が膨らんでいることもあり、総務省MVNOの定義について意見を募集している。
  • 国内事業者の状況
  • 課題
    • MVNO事業が日本で成立するか不透明
      • 日本市場の特殊性により、見通しを立てるのが困難。*3
      • そもそも、成功事例が少ない?*4
  • 焦点(この項目では、個人的な観測を記述)
    • MVNOの特性
      • MVNOの存在意義は、"メガキャリアではカバーできない特定ターゲット向けにカスタマイズされたサービスを適正価格で提供すること"にあると考える。
      • しかし、日本市場においては下記が原因で、MVNOの新規参入は活発ではない。
        • 1.コモディティ化が進んでいない。
        • 2.参入障壁が高い。 
          • 携帯の決済機能がキャリアに依存している。
          • キャリアの保有する無線帯域には新規事業者に割り当てられる程の余裕がない。
          • 回線の敷設が困難(?)など。
        • 3.有望な市場に対する類似サービスが既に存在する。
          • MVNO事業者が得意とする市場は、PHSWillcomWiFi/WiMAXYozan等の別事業者の存在感が大きく、新たな事業者が参入するのが困難(?)
          • (なお、"ライトユーザ向け低価格音声サービス"はコモ化が進行していない日本市場では提供が困難)
        • 4.キャリア自らが細かいターゲットに向けて製品/サービスを提供している(?)
          • あくまで予想。
    • そうした状況の中で、これからMVNOに参入する企業は下記のいずれかを実現する必要がある。
      • 打開策1:特定マーケット(ターゲットとニーズ)を新たに見つけ出す。
      • 打開策2:先行業者(WillcomYozan)を追いやるほどの競争優位を作り出す

*1:一応、記述しておく

*2:参考資料の"総務省が意見募集中"の記事にあるように、定義が曖昧になりつつある

*3:成功事例としてしばしば名前が挙がるVirgin Mobileは音声通信をメインとした若者むけ低価格サービスという位置づけ。メールを多用する日本のユーザを考えると、あまり参考にはならない

*4:国外では仏カルフールなどMVNO参入は少なくないようだが