MVNOの現状(なぜ日本ではMVNOが立ち上がらないのか)

以前プライベートの時間を使って行った*1"MVNOの現状"についての調査結果をベースに記述。本格的な調査は行っていないので、あくまで参考程度に。
(誤りのご指摘やご意見など、もしいただければ、たいへんありがたい)

  • MVNOとは何か
    • 大雑把な定義*2では、『キャリアから回線を借りて、特定のマーケットに向けオリジナルの料金形態で再販を行う事業者』を指す。"無線ネットワークを自ら管理するか否か"、"オリジナルのネットサービスを提供するか否か"などにより、様々な業態が存在する。(後述のITmedia記事の図が分かりやすい)
    • MVNOの定義が膨らんでいることもあり、総務省MVNOの定義について意見を募集している。
  • 国内事業者の状況
  • 課題
    • MVNO事業が日本で成立するか不透明
      • 日本市場の特殊性により、見通しを立てるのが困難。*3
      • そもそも、成功事例が少ない?*4
  • 焦点(この項目では、個人的な観測を記述)
    • MVNOの特性
      • MVNOの存在意義は、"メガキャリアではカバーできない特定ターゲット向けにカスタマイズされたサービスを適正価格で提供すること"にあると考える。
      • しかし、日本市場においては下記が原因で、MVNOの新規参入は活発ではない。
        • 1.コモディティ化が進んでいない。
        • 2.参入障壁が高い。 
          • 携帯の決済機能がキャリアに依存している。
          • キャリアの保有する無線帯域には新規事業者に割り当てられる程の余裕がない。
          • 回線の敷設が困難(?)など。
        • 3.有望な市場に対する類似サービスが既に存在する。
          • MVNO事業者が得意とする市場は、PHSWillcomWiFi/WiMAXYozan等の別事業者の存在感が大きく、新たな事業者が参入するのが困難(?)
          • (なお、"ライトユーザ向け低価格音声サービス"はコモ化が進行していない日本市場では提供が困難)
        • 4.キャリア自らが細かいターゲットに向けて製品/サービスを提供している(?)
          • あくまで予想。
    • そうした状況の中で、これからMVNOに参入する企業は下記のいずれかを実現する必要がある。
      • 打開策1:特定マーケット(ターゲットとニーズ)を新たに見つけ出す。
      • 打開策2:先行業者(WillcomYozan)を追いやるほどの競争優位を作り出す

*1:一応、記述しておく

*2:参考資料の"総務省が意見募集中"の記事にあるように、定義が曖昧になりつつある

*3:成功事例としてしばしば名前が挙がるVirgin Mobileは音声通信をメインとした若者むけ低価格サービスという位置づけ。メールを多用する日本のユーザを考えると、あまり参考にはならない

*4:国外では仏カルフールなどMVNO参入は少なくないようだが