MicrosoftはGoogle以外に負けるかもしれない理由
元記事はエンタープライズ領域においては正しと思うのだが、Google以外に手ごわい企業がいることを忘れているのではないか。
元記事の下記の主張は全く正しいものだと思う。
- 一時期のGoogleは、広告収入だけでネット上の全てのサービスを飲み込むかのように見えた。
- しかし、その広告収入は明らかに成長が鈍化してきた。
- もはや、GoogleがMicrosoftのビジネスを脅かすことはない。
ただし、この点は同意できない。
このようにMicrosoftとGoogleのビジネスは、同じクラウドコンピューティングという分野の中でも、かなり異なる切り口であることがわかる。Googleには競合が多く存在するが、クラウドを構築するための開発基盤とツールを提供する企業はMicrosoft以外にはない。
なぜなら、クラウドの開発基盤、ツールの提供を行う企業は、Microsoftだけではないからだ。
直接的な競合
IBMはあらゆる意味で衝突する直接的な競合だ。おそらく、最も手ごわい企業でもある。
そして、もちろんIBMはクラウドへの取り組みを進めている。
◎IBM,クラウド・コンピューティング製品系列「Blue Cloud」を発表:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071116/287344/
他にも、(どの程度本気なのかは謎だが)Sun、HP、Dellはこの領域に参入する計画を進めており、たびたびIT関連の記事で取り上げられている。
基本的に、ハードやOSを提供しているベンダーは、全て直接的な競合になりうると言って良いだろう。
(よく知らないのだが日本の富士通、NECはどうなんだろうか?)
間接的な競合
元エントリで挙げられているAmazon.com、あるいは日本では楽天が競合として挙げられている。これらは、間接的な競合関係にある企業だ。
ただし、既にビジネスアプリケーションの分野で実績のある企業である点を考えると、SalesforceやSAP、Oracleなどがより手ごわい相手になるだろう。
前者のような"コンシューマ向けサービスの提供企業"と、後者のような"企業向けパッケージ/サービス提供企業"とを比べると、
- 前者はサービスのコストパフォーマンスに優れる。
- 後者はサービスのクオリティ。特にセキュリティ、ブランド(信頼性)などに優れる
といった傾向が出てくることが予想される。
いったんまとめ
確かに、MicrosoftはGoogleとはあまり競合しない可能性が強くなってきた。
なぜなら、広告収入だけではMicrosoftのビジネス領域を侵すことは難しいと分かってきたからだ。その点では元記事に同意できる。
ただし、クラウドの開発基盤、ツールの提供を行う企業はMicrosoftだけではない。Microsoftに対する競合をまとめると下記のようになる。
- 直接の競合
- IBM、Sun、HPなどのサーバハードやOSを提供している企業
- 間接の競合
- 第一群:Amazon.comや楽天(?)などの消費者向けネットサービスを提供している企業
- 第二群に比べ、コストパフォーマンスに優れる
- 第二群:Salesforceなどビジネス向けSaaS(PaaS)あるいはSAP、Oracleなどビジネスアプリケーションを提供している企業
- 第一群に比べ、セキュリティ、ブランド力、既存システムとの高い親和性(?)に優れる。
- 第一群:Amazon.comや楽天(?)などの消費者向けネットサービスを提供している企業
以上、きちんと調べなおさずに脊髄反射だけでエントリしてしまいました。
誤り等ご指摘いただけると幸いです。